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おさかな情報 No.24   2003年10月

2003年度第3回展示テーマ   

           輸入魚



             目      次
  はじめに  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1  
  水産物の輸入 ・・・・・・・・・・・・・2  
  「輸入される外国産魚類の名称について」・・・・・・・4
 「JAS法改正と水産庁の「魚介類の名称の
   ガイドライン」について」 ・・・・・5
 代表的な輸入漁・・・・・・・・・・・・・5
 築地魚市場おさかなニュース
            
「輸入される貝類」 ・・・・・・・・・・・・・・・11
 次回の展示テーマ・・・・12

       
                                


                           


    はじめに

 現在、日本の食用水産物の供給量の約50%は外国から輸入されています。
平成13年(2000年)の水産物の輸入量は382万トン、金額ではl兆7237億円にもなりました。この金額は同じ年の日本の漁業生産額に相当します。
国際的にみても、世界の水産物貿易において、日本は輸入量の13%(2000 年)、輸入額の26%を占め、数量・金額ともに、世界最大の水産物輸入国になっています。
 このため、築地市場にも世界各地から輸入される、数多くの水産物が並びます。
展示では、輸入水産物のなかから魚類を中心に標本とパネルで紹介します。
また、平成13年のJAS法の改正以降、話題にのぼることの多い、輸入される 外国産魚類の名称の間題についても紹介します。




   水産物の輸入

 平成13年(2000年)、日本の漁業生産量は613万トン、生産額は1兆7803億円でした。昭和60年代以降、生産量、生産額ともに減少傾向にあります(図1)。
一方、平成13年の水産物の輸入量は382万トン、輸入額はl兆7237億円で、数量・金額ともに、この40年間、一時期を除いて増加し続けています(ちなみに、同年の水産物の輸出は9万トン、32億円)(図2)。このため、水産物の自給率は53%まで下がりました(図3)。
 世界の水産物貿易をみると(2000年)、日本は輸入量で13.3%、金額では26%を占め、世界最大の水産物輸入国となっています。 食用の輸入水産物の主なものは、エビ類、マグロ・カジキ類、サケ・マス類、カニ、タラの卵(スケトウダラなどの卵の生鮮・冷凍・塩蔵品など)およびウナギ調製品(蒲焼き・白焼きなど)で、これら6品目で輸入額の半分を占めています。なかでもエビとマグロ・カジキ類の輸入が多く、輸入額全体でみてもそれぞれ17%と13%にもなります。
 世界の120以上の国と地域から輸入していますが、主な輸入先は、中国(2001 年の全輸入額の16.4%)、アメリカ(10.1)、タイ(7.6)、ロシア(7.3)、韓国(6.8)、 インドネシア(6.8)、チリ(5.1)、台湾(4.8)、ノルウェー(4.2)です。これらの国のほかにオーストラリア、ベトナム、インドなどを加えた上位20カ国で全輸入額の91%を占めます。


 図1 日本の漁業生産量と生産額の推移
(漁業白書平成12年度、水産白書平成13、14年度より)


 図2 水産物の輸入額と輸入総額の推移(漁業白書平成12年度、水産白書平成13、14年度より)


図3 食用水産物の自給率の推移(漁業白書 平成12年度、水産白書 平成13、14年度より)

参考資料
漁業白書 平成12年度.農林統計協会. さかなの漁獲・養殖,加工・輸出入・流通・消費データ集2003.生活情報センター. 水産白書平成13年度.農林統計協会. 水産白書平成14年度.農林統計協会.

一3一



     輸入される外国産魚類の名称について

  「標準和名は、日本において学名の代わりに用いられる生物の名称であ り、発音がしやすいこと、意味を容易に理解できること、記憶しやすいこと など、一般的になじみがない学名の短所を補う便利なものとして、対象とす る生物やその関連分野の研究の進歩や普及、教育に大きく貢献してきた」
    [日本魚類学会標準和名検討委員会(2003年3月設立)の要項より]

  水産物の流通過程においても、標準和名が使用されることが望ましいこと はいうまでもありません。しかしながら、実際の流通過程で標準和名が使われることは少ないようです。これは外国産魚類の場合には特に顕著で、業界名・流通名・商品など様々な名称が使用されているのが現状です。 食用に輸入される外国産魚類についても日本産魚類
*と同じように、多く の種に標準和名が付けられています。 ここでは、食用に輸入される(一部の**)外国産魚類の標準和名を紹介 します。

*ここでいう日本産魚類は、『日本産魚類大図鑑 第2版』(益田他編,1988)や『日本産 魚類検索全種の同定 第二版』(中坊編,2000)に掲載されているものを指します(二 ジマスなどの移入種も含まれます)。たとえば、天皇海山からのみ報告されているオキカサゴやベニメヌケは日本産であって、外国産魚類には含めません。また、北部北大西洋で漁獲されたものがアイスランドやノルウェーなどから輸入されるカラフトシシヤモ、中国などから輸入されるハモ・マアナゴなども同様に外国産魚類に含めません。
**「おさかな普及センター資料館年報第22号(2003年10月発行)」には、食用に輸入さ れる外国産魚類84種および亜種の標準和名が掲載されています。 ところで、外国産魚類の場合には、日本産魚類と異なり、種と標準和名が必ずしも1:1 に対応していない場合が少なからずみうけられます。既に標準和名があるにもかかわらず、後の出版物において既存の標準和名について何ら検討されることなく、(その結果、 独立して)新たに標準和名が提唱されたことがその原因です。このように、既存の標準和名についての議論がなく新標準和名が提唱された種については、現時点では、複数の標準和名が通用しているとみなさざるをえません。同一種に対して標準和名が複数通用しているという現状は、よく知られた種であればともかく、なじみのない外国産魚類では甚だ不都合です。
 年報22号では、複数の標準和名が通用していると考えられる場合には、その魚種の適切な標準和名を選択するための基礎資料も提供しています。                   (おさかな普及センター資料館年報 第22号を改変)

    
輸入される外国産魚類の標準和名一覧(年報22号より抜粋)
 アメリカナマズ           タイセイヨウニシン
 パタゴニアユメカサゴ      イシビラメ ヨーロッパウナギ   
 ボウズガレイ            カナリーチダイ    
 ナイルアカメ            ホンササウシノシタ  
 キングクリップ           ナツビラメ      
 マルアナゴ             コオリカマス    
 ニシマアジ             メルルーサ     
 ゴウシュウマダイ          ニシマガレイ     
 ミナミオオスズキ          タイセイヨウサケ   
 ニホンイトヨリ            ミナミマグロ     
 タイセイヨウサバ         バターフィッシュ   
 ヨーロッパウナギ



  JAS法改正と水産庁の「魚介類の名称のガイドライン」について  

 2000年(3月31日告示、7月l日施行)、JAS法が改正され、生鮮食品に名称や原産地を表示することが義務化されました。名称については、「その内容を表す一般的な名称を記截すること」になりました。そして、水産庁の水産物表示検討会は、2002年11月15日に「魚介類の名称のガイドライン(中間とりまとめ(案))」を公表して、一般および関連学会(日本魚類 学会・日本甲殻類学会・日本貝類学会)の意見を求めました。2003年2月28日には、一般および関連学会からの意見と検討会での議論を踏まえて、「魚介類の名称のガイドライン(中間とりまとめ)」を公表しました。

このガイドラインで検討会は、生鮮魚介類の名称について、
   「V.魚介類の名称のあり方
      1.生鮮魚介類の名称
       (2)一般ルール
         ・・・、原則として、生鮮魚介類の名称として「種名」(標 準和名)を記截する事とする」 としました。

また、水産加工品の原材料名についても、
   「W.魚介類の名称のあり方
      2.水産加工品の原材料名
       (3)一般ルール
         ・・・、生鮮魚介類の名称のルールを基本としつつ、・・・」 としています。


          
代表的な輸入魚

  輸入水産物が増えるにつれ、普段の買い物や飲食店で外国産の魚貝類を目にする機会が多くなりました。冷凍の原料魚ばかりではなく、生鮮魚や活魚、加工品も増え、需要にあった幅広い製品が輸入されるようになったためです。冷凍魚は、ドレス(頭と内臓をとったもの)やフィレ(三枚おろし)が多く、国内で切身や惣菜などに加工されます。小売店に並んだり学校給食、飲食店などでも使われます。生鮮魚や活魚は、生食やそのまま料理に使われるものがほとんどで、飲食店で使われる他小売店にも出回ります。加工品は、魚をフィレや切身にしただけのものから、缶詰、干物、味付け加工したものなどさまざまです。家庭で簡単に調理するか、そのまま食べられるものなので、多くは小売店に並びます。

  このように、身の回りにたくさんある輪入魚ですが、その種類はどのぐらいあるでしようか。築地市場や業者、小売店などに入荷したもののうち、当館が調べられたものはおよそ330種、このうちマアナゴなど日本にも同じ種が分布する魚は80種、外国にしか分布しない魚は250種です。また築地市場に入荷する輸入魚は288種で、日本にも同じ種が分布する魚は68種、外国にしかいない魚 は220種。このうち明らかな混入種を除くと178種で、日本にも同じ種が分布する魚は61種、外国にしかいない魚は117種です。ここでは、なじみの深い輸入魚をリスト(約100種(類))にあげ、そのうち、代表的なものについて解説します。

○…日本にも分布するまたは日本産もある種(39種); △…日本に分布する種を含む仲間       市場名:これまで市場で使われた主な名称


  
標準和名(または英名など)  市場名  輸入形態  輸入先  量
ウナギ うなぎ
加工・活魚 中国 
ヨーロッパウナギ うなぎ 加工・活魚 中国 
マルアナゴ あなご 冷凍・加工 ペルー
マアナゴ あなご 活魚 韓国・中国
ハモ はも 活魚・鮮魚 中国
ピルチャード いわし 冷凍 オランダ
カリフオルニアピルチャード いわし 冷凍・鮮魚 米国・カナダ
ニシン にしん 鮮魚 米国・ロシア
タイセイヨウニシン にしん 冷凍 オランダ
ドジョウ どじょう 活魚 中国
ナマズ類 なまず 冷凍 東南アジア
シラウオ類 しらうお 冷凍 中国
カラフトシシャモ ししやも 冷凍 アイスランド
タイセイヨウサケ さ一もん 鮮魚 チリ・ノルウェー
ギンザケ ぎんざけ 生鮮 チリ
ベニザケ べにざけ 塩鮭 カナダ・米国
マスノスケ きんぐさ一もん 鮮魚・塩魚 カナダ
ミナミオーストラリアサヨリ さより 鮮魚 オーストラリア
マダラ たら 冷凍 米国・ロシア
メルルーサ類 めるる一さ 冷凍 ニユージーランド
ホキ ほき 冷凍 ニユージーランド
キングクリップ きんぐくりっぷ 冷凍 南アフリカ
キアンコウ あんこう 鮮魚 中国
キンメダイ きんめだい 冷凍 ロシア・西アフリカ
オオメマトウダイ まとうだい 冷凍 ロシア
ホノオカサゴ かさご 鮮魚 ニユージーランド
アラスカキチジ きんき 冷凍 アラスカ
パタゴニアユメカサゴ あらかぶ 冷凍 チリ
アラスカメヌケ あかうお 冷凍 アラスカ
モトアカウオ あかうお 冷凍 アイスランド
チヒロアカウオ あかうお 冷凍 アイスランド
ミナミホウボウ ほうぼう 鮮魚 ニユージーランド
ギンダラ ぎんだら 冷凍・鮮魚 カナダ・ロシア
キタノホツケ しまほっけ 冷凍 ロシア
タイリクスズキ すずき 鮮魚 中国
モトケツギョ けつぎょ 鮮魚 中国
ナイルアカメ ないるぱ一ち 冷凍 エチオピア
ミナミオオスズキ あら 鮮魚 ニユージーランド
ニユージーランドバス ばす 鮮魚 ニユージーランド
モトギス きす 冷凍 東南アジア
ブルーノーズギス きす 鮮魚 オーストラリア
チヤイロマルハタ はた 鮮魚・活魚 台湾・東南アジア
キテンハタ はた 冷凍 東南アジア
シロアマダイ あまだい 鮮魚 中国
ニシマアジ あじ 冷凍 オランダ
シマアジ しまあじ 鮮魚 ニユージーランド
フエダイ類 あかまつだい 冷凍 東南アジア
ヒメダイ類  ひめだい 冷凍 東南アジア
アオダイ類 あおだい 冷凍 東南アジア
イサキ いさき 鮮魚 中国
イトヨリ類 いとより 加工・冷凍 タイ・インド
ゴウシュウマダイ たい 生鮮 オーストラリア
ヨーロッパマダイ たい 冷凍 アルゼンチン
カナリーチダイ たい 冷凍 西アフリカ
フウセイ ふうせい 鮮魚 中国
ツボダイ類 つぼだい 冷凍 ロシア
マジェランアイナメ めろ 冷凍 チリ
ナイルティラピア ちかだい 生鮮 台湾
コオリカマス こおりかます 冷凍 オーストラリア
タチウオ たちうお 冷凍・鮮魚 パキスタン・韓国
バラクータ おきさわら 冷凍 ニユージーランド
タイセイヨウサバ さば 冷凍 オランダ
カツオ かつお 加工 インドネシア
ミナミマグロ いんどまぐろ 鮮魚 オーストラリア
クロマグロ ほんまぐろ 鮮魚 米国・スペイン
メバチ めばち 冷凍 台湾
キハダ きはだ 冷凍 インドネシア
カジキ類 かじき 冷凍 台湾・韓国
シルバー しるばー 冷凍 ニユージーランド
オキヒラス しるばー 冷凍 ニユージーランド
メダイ類 めだい 冷凍 南アフリカ
マナガツオ まながつお 鮮魚・冷凍 中国・インド
シナマナガツオ まながつお 鮮魚・冷凍 中国・パキスタン
バターフイツシユ しず 冷凍 米国・ペルー
イシビラメ た一ぼっと 鮮魚・冷凍 フランス
ヒラメ ひらめ 活魚・鮮魚 韓国・中国
カリフォルニアビラメ ひらめ 鮮魚 アメリカ
ナツビラメ ひらめ 鮮魚 アメリカ
カラスカレイ からすがれい 冷凍 アイスランド
シユムシュガレイ あさばがれい 冷凍 アラスカ
コガネガレイ こがねがれい 冷凍 ロシア
ニシマガレイ かれい 冷凍 オランダ
ササウシノシタ類 したびらめ 冷凍 西アフリカ
ウシノシタ類 したびらめ 冷凍 東南アジア
マフグ なめらふぐ 鮮魚 韓国
トラフグ とらふぐ 鮮魚・活魚 中国


 
ウナギ(類)
うなぎ



輸入量:
86760トン
主な輸入先:中国(76%)、台湾(24%)、東南アジア(0.1%)
輸入形態:蒲焼き(80%)、活魚(20%)
備考:近年は蒲焼きなどの加工品が主流。デンマーク(ヨーロッパウナギ)からは燻製が輸入されています。現在、中国ではウナギのほかにヨーロッパウナギも養殖されています。最近、加工品から抗生物質が検出され、ニユースでも取り上げられました。

tara

 
タラ類


輸入量:177415トン
主な輸入先:アメリカ(95%)、ロシア(3%)、韓国(1%)
輸入形態:冷凍
備考:アラスカのマダラやスケトウダラが大半を占めています。切身や塩たらに加工されます。卵(塩蔵タラコや明太子)は8986トンが輸入されています。96%は韓国や中国からのスケトウダラの卵です。

サバ

 
サバ類



輸入量:
173954トン
主な輸入先:ノルウェー(91%)、デンマーク(2%)、アイルランド(2%)、韓国(1%)
輸入形態:冷凍
備考:サバの仲間は世界に3種いますが、輸入されているものの95%はヨー ロッパのタイセイヨウサバです。日本のマサバに比べて脂が多く、干物や惣菜、切身などに加工されています。背中の縞模様がはっきりしているので、マサバと区別できます。

アジ

 
アジ類




輸入量:
64134トン
主な輸入先:オランダ(36%)、アイルランド(30%)、台湾(7%)、韓国(6%)
輸入形態:冷凍
備考:アジの仲間は種類が多いですが、ほとんどがマアジ属の魚と思われま す。ヨーロッパのニシマアジ、台湾や韓国などのマアジ、ニュージーラ ンドの二ュージーランドマアジなどがあります。干物や惣菜用の切身な どに加工されています。日本のものと比べて脂が多く、輸入のアジ類 の方が好まれることもあります。

シシャモ

 
カラフトシシャモ




輸入量:
36469トシ
主な輸入先:ノルウェー(76%)、アイスランド(11%)、カナダ(5%)、中国(3%)
輸入形態:冷凍
備考:現地で雌雄に選別、冷凍して輸入されます。卵を持った雌は干物に、 雄は佃煮などに加工されます。

ニシン

 
ニシン類




輸入量:
52548トン
主な輸入先:アメリカ(48%)、ロシア(31%)、ノルウェー(12%)、韓国(4%)
輸入形態:冷凍
備考:ロシアや韓国からはニシン、ノルウェーやオランダからはタイセイヨウニシン、アメリカやカナダからは両種が輸入されています。干物や加工品にされています。卵(子持ちコンブや数の子)もおよそ8千トン輸入されています。

メヌケ

 
メヌケ類



輸入量:38300トン
主な輪入先:アイスランド(53%)、アメリカ(17%)、リトアニア(8%)、ロシア(7%)
輸入形態:冷凍
備考:メヌケ類は種類が多く、これまでは一括して「あかうお」と呼ばれていました。アイスランドからはモトアカウオ(タイセイヨウアカウオ)やチヒロアカウオ(オキアカウオ)、アメリカやロシアからはアラスカメヌケなどが輸入されています。味噌潰や干物、切身などに加工されます。

マジュランアイナメ

 
マジェランアイナメ

輸入量:15067トン
主な輪入先:中国(24%)、チリ(16%)、フランス(13%)、アルゼンチン(13%)
輸入形態:冷凍
備考:脂ののった白身なので惣菜用として人気があります。資源量保護のため漁獲制限されているので、輸入量はやや減少しています。南半球に分布する魚なので、中国やフランスは原産国ではありません。



 
マグロ・カジキ類
  

輸入量:321716トン
主な輪入先:台湾(36%)、韓国(19%)、インドネシア(9%)、オーストラリア(4%)
輸入形態:冷凍、生鮮
備考:台湾や韓国などからは遠洋で漁獲された冷凍魚、インドネシアやアメリカなどからは沿岸で漁獲された鮮魚、オーストラリアやスペインからは畜養された鮮魚が輸入されています。生食のほか加工品も作られます。

カラフトマス

 
サケ・マス類


輸入量:280814トン
主な輪入先:チリ(50%)、ノルウェー(23%)、アメリカ(12%)、ロシア(10%)
輸入形態:冷凍、生鮮、塩蔵、加工品
備考:98%は冷凍魚や鮮魚で、残りが塩さけや加工品です。アメリカやロシアからは沿岸で漁獲されたベニザケ、マスノスケ、ギンザケなどが、チリやノルウェーからは養殖のタイセイヨウサケ、ニジマス、ギンザケなどが輸入されています。塩鮭や切身のほか生食用も多くなりました。卵(イクラ、筋子)は8403トンが輸入されています。

ヒラメ

 
ヒラメ・カレイ類

輸入量:67440トン
主な輪入先:アメリカ(36%)、ロシア(21%)、オランダ(10%)、中国(9%)
輸入形態:冷凍、生鮮
備考:ヒラメ類は鮮魚が多く主に生食用に、カレイ類は冷凍魚が多マコガレイく主に惣菜用にされます。アメリカやロシアからはカラスガレイ、シユムシュガレイ、コガネガレイなど、ヨーロッパからはカラスガレイやニシマガレイ、中国からはヒラメが輸入されています。



 
ギンダラ

輸入量:13970トンギンダラ
主な輪入先:アメリカ(84%)、カナダ(16%)
輸入形態:冷凍、生鮮
備考:ほとんどが冷凍魚ですが、まれに鮮魚も輸入されます。脂ののった白身で、惣菜用として人気があります。

参考資料
阿部宗明.2003.新顔の魚1970−1995復刻版.まんぼう社,
おさかな普及センター資料館.2003.おさかな普及センター資料館年報22号.
水産庁加工流通課,2002.水産貿易統計.


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              輸入される貝類

 魚と同じように、貝類も輸入品を見る機会が多くなりました。貝類の輸入量 は、平成13年にはおよそ15万トンでした。これは輸入水産物の4%に当りま す。主なものは表のとおりです。輸入貝類の種類数は、あまりなじみのないも のも合わせると約150種になります。これらの貝類は利用目的に合わせて、生きたものからむき身の冷凍まで、さまざまな形態で輸入されています。

            主な輸入貝類
---------------------------------------------------------
数量(トン)  アサリ  ハマグリ類  シジミ類  カキ類  アカガイ類
        75625   22183   19023   14892   7278
---------------------------------------------------------
金額
(100万円)アサリ  カキ類  アワビ類  ハマグリ類  アカガイ類
        11805   9959   7001   5250   4029
---------------------------------------------------------

 アワビ類
 生きたものまたは冷凍で輸入され、刺身、寿司、煮貝などに使われています。主な種と産地はアカアワビ(オーストラリア)、ミダノアワビ(南アフリ カ)、アカネアワビ(アメリカ)、エゾアワビ(中国)などです。南米には食用となる大型のアワビはいませんが、アワビの代用として使われるアワビモドキ(アカニシなどが含まれるアクキガイ科)がチリから輸入されています。ま た、ノルウェー(アカネアワビ)、南アフリカ(ミダノアワビ)、台湾(フク トコブシ)などからは養殖されたアワビ類が輸入されています。
ミダノアワビ
  アカアワビ         ミダノアワビ        アワビモドキ

      アカアワビ                 アワビモドキ

 
アサリ・ハマグリ類
 生きたものまたは冷凍で韓国、北朝鮮、中国などから輸入され、小売店にもたくさん出回っています。アサリは日本のものと同種、ハマグリはチョウセンハマグリとシナハマグリです。近年、東南アジアのミスハマグリも見かけることがあります。ほかに中国からアケガイやイヨスダレがアサリの代用として輸入されることがあります。
  アサリシナハマグリイヨスダレ
     アサリ       シナハマグリ      イヨスダレ

カンコク アサリ      シナハマグリ          イヨスダレ

 シジミ類
 活きた物または冷凍で韓国、中国、 ロシアから輸入されています。シジミは殻の特徴が少なく、種の特定は困難です。                           
       カナツケシジミ
    カネツケシジミ    ロシア シジミ
 ホタテガイ類
 冷凍で中国、韓国などから輸入されます。主な種はイタヤガイ、アズマニシキ、アメリカイタヤガイです。アメリカイタヤガイはアメリカ南部の大西洋岸原産ですが、中国で養殖されています。これらはホタテガイより小型なので “ベビーホタテ”と呼ばれ、冷凍食品などに使われています。ホタテガイの輸入量は少ないようです。
    アズマニシキアメリカイタヤガイ
       アズマニシキ            アメリカイタヤガイ

 そのほかの貝
 アカニシ類(アカニシ、チョコレートレイシなど)、エゾバイ類(ヨーロッ パエゾバイ、ムカシエゾボラなど)、エスカルゴ類、二枚貝類(アメリカウバガイ、ミルクイ、ナミガイなど)、イガイ類(ムラサキイガイ、モエギイガイなど)、カキ類(マガキ、オーストラリアガキ、バージニアガキ、フランスヒラガキなど)、アカガイ類(アカガイ、サルボオなど)、マテガイ類(マテガイ、オオマテ、アゲマキなど)など。
     モエギガイヨーロッパエゾバイ
      モエギイガイ           ヨーロッパエゾバイ

参考資料
R.T.アボット・S.P.ダンス.1985.世界海産貝類大図鑑,平凡社. 奥谷喬司(編).2000.日本近海産貝類図鑑.東海大学出版会. 水産庁水産流通課.2002.水産貿易統計平成11年. 肥後俊一・後藤芳央.1992.VOUJTESPOPPE&GOTO和名表.エル貝類出版局. Geiger,D.L.&G.T.Poppe,2000.The family Haliotidae,Aconchological iconography.Conch Books. Poppe,G.T.&Y.Goto.1992.Volutes.Llnformatore PHceno.


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 次回の展示テーマ
  ハタ類 
   2004年1月5日〜3月31日
  ハタ類は暖かい海に生息する魚類で、日本 近海に約130種(世界で450種以上)が分布しています。マハタ・アラ・キジハタ・アカハ タ・アオハタなど多くの有用種が含まれます。 築地市場には、日本だけでなく外国産のハタ 類も並びます。しかし、なかにはシガテラ毒 を持つものもいるので注意が必要です。

      −12一